弁護士に聞いた!ヤフオクで買った車を返品に応じてもらうのは難しい?

ヤフオクで車を買ったけど返品したい人】私は、車を1台所有していますがもう1台欲しくなりヤフオクで中古車を購入しました。中古車だからと思い、ある程度のキズくらいは予想していましたがオイル漏れがひどく走行不能といわれ返品を考えています。

  • 本記事のテーマ

5分で分かる】ヤフオクで買った車を返品したい

  • 記事の信頼性

ヤフオクで買った中古車が、オイル漏れしていると言われ返品をしたいと出品者に言ったところ「ノークレーム・ノーリターン」を理由に「返品不可」と言われました。

このことに納得いかない私は実際に市役所にある相談窓口の弁護士に相談しました。

  • 読者さんへのメッセージ

ヤフオクで中古車を購入しました。

オイル漏れがひどく走行不能といわれ返品を考えています。

出品者に返品を要求しましたが「ノークレーム・ノーリターン」で契約を交わしているため「返品不可」と言い取り合ってくれない状況。

この状況に納得いかないわたしは、市役所に設置されている相談窓口の弁護士に相談しました。

その結果納得とまではいかないまでも状況を客観的にみることで冷静になれました。

問題が起きたことの発端

ヤフオクで、平成18年式10万キロ走行、25万円の中古車を購入しました。

30㎞程走行し途中の自動車販売会社で名義変更を行い車の状態も見てもらったところオイル漏れを指摘され、それ以降走行不能となりました。

走行不能になった車の返品を売主に要求したのですが最初の契約時「ノークレーム・ノーリターン」「返品不可」で契約しているので返品は受け付けられないと言われました。

しかし、走行不能となった車では修理代も相当かかるしどうしても納得いきませんでした。

そこで、市役所の相談窓口から弁護士へ相談をしました。

ヤフオク!で購入した車を返品できるか弁護士に相談しました(実際に筆者が相談しました)

【弁護士の返答①】「返品不可」も契約であり、契約を覆すにはその根拠を探し出す必要がある。

<私>
「契約上、ノークレーム・ノーリターン、返品不可を主張していてもたったの30㎞走行したくらいでオイル漏れを起こしてしまうような車なら最初から欠陥があったのではないかと思います。」

<弁護士>
「ヤフオクで車を購入する際に契約書はしっかり確認されましたか? 車の年式や走行距離、修理履歴など内容の把握は充分だったでしょうか?」

<私>
「はい、確認しています。」

<私>
「契約と言われてもたった30㎞走っただけでオイル漏れするなんて結構ひどい故障ですよね。
それに30㎞走らなければわからない故障でした。

ということは最初から分からない瑕疵(隠れた欠陥)だったことで瑕疵担保責任という法律にはあたらないんですか?

<弁護士>ヤフオクで中古車を買うという以上あらゆる故障が考えられることを予想して購入することが一般的です。

さらに、30㎞は走行したという時点で契約としては成り立っています

しかし、このことを訴訟問題にするとなれば同じ年式で、似た走行距離同じ車種の車がどの程度壊れやすいかを調べてこの車をヤフオクで購入する時点でオイル漏れを予想できなかったことを証明する必要があります。

【弁護士の返答②】瑕疵担保責任で契約を「解除」することはできない(車を返品することはできない)

<弁護士>
「瑕疵担保責任とは、隠れたる瑕疵(ぱっと分からない様な欠陥)が有った場合、売り主は過失の有無に関わらず買い主に対して責任を負う事になる。

という法律ですが、今回の場合では瑕疵担保責任を問うことができません。

瑕疵担保責任による契約の解除とは、契約の目的が達成できないとき」に用いられます。

売主の瑕疵担保責任とは
第570条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

出典元:車査定マニア

瑕疵担保責任について、第566条に準ずるとあるので以下に見てみます。

第566条(瑕疵担保責任について)
(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
  • 1、第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
  • 2 、(省略)
  • 3 、前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。
  • 隠れたる瑕疵(ぱっと分からない様な欠陥)が有った場合、売り主は過失の有無に関わらず買い主に対して責任を負う事になる。

出典元:車査定マニア

この契約はヤフオクでの中古車販売であり、どこかしらの欠陥があるかもしれないことは売主、買主両方予想していたことでした。

しかし、オイル漏れ等が予想されるなど重大な欠陥についての詳細な明記はしておらずそのことは、車を30㎞走らせるまで買主は分からない事実(隠れた瑕疵)でした。

このことで瑕疵担責任が問えるのではないかと思いました。

しかし、弁護士の言う「契約の解除」ができないということは「契約の目的が達成できていない場合」にはその瑕疵担保責任を問えるのですが、車の引き渡しまで成立しているということで「契約の解除」ができないということでした。

【補足】2020年4月、民法改正により「瑕疵担責任」から「契約不適合責任」へ改正される。

2020年4月1日に施行される民法改正において、
瑕疵担保責任は、「契約の内容に適合しない場合の売主の責任「以下「契約不適合責任」といいます。)」とその名称を変えました。

売買の目的物が契約の内容に適合しない場合には、債務不履行責任を前提とした処理がされることになりました。

出典元:売却の窓口

民法改正の契約不適合責任で変わるもの

旧民法において、瑕疵担保責任を追及するためには、目的物に「隠れたる瑕疵」があることが必要でした。

「瑕疵」とは、契約時に契約の趣旨に適合する通常あるべき性状・性能がないことを意味し、「隠れたる」とは契約当時、買主が瑕疵の存在について知らず、知らないことに過失がないこととされてきました。

*今回のことで言うと「隠れたる瑕疵」とは、「普通の車を買ったと思っていたのに30km走行したらオイル漏れした。でも車を買った時にはそんなことは気づかなかった」ということだと思います。

改正民法では、「目的物の種類・品質及び数量が契約内容に適合しない場合」に契約不適合責任の追及ができるとされました。

旧民法の「瑕疵」と改正民法の「契約の内容に適合しない場合」という概念が、完全に一致するかについては、改正民法施行後の裁判例の集積等によって、判断されることになりますが、一般的には改正民法の方が契約目的や契約文言といった当事者の主観面を重視する傾向があるといわれています。

出典元:売却の窓口

筆者は、法律の専門家ではないため「契約不適合責任」について解説することができませんが、改正民法の契約目的や契約文言といった当事者の主観面を重視する傾向にあるという所に希望を見出しました。

改正民法における契約不適合責任では、売買の目的物が「契約の内容に適合しない」場合、買主から売主に対する追完請求(修補請求、代物請求など)を原則としたうえで、売主が追完に応じないとき、追完が不能であるときなどは代金減額請求を認めており、これらとは別に損害賠償請求をすることも認めています。

また、買主に不相当な負担を課さない限り、買主が請求した方法とは異なる方法によって追完することを売主に認めています。

さらに、契約不適合責任の場合、契約不適合の内容が軽微であるときを除き、買主は、契約の解除をすることができます。

出典元:弁護士法人ALG&Associates

売買の当事者が「契約の内容に適応しない」と(主観的に)思った時、損害賠償を求める場合でも契約の解除の場合でもその賠償の仕方の幅が広がったと思います。

ヤフオクで売買契約を結ぶ前のトラブル対策

確認しよう! 取引のポイント

入札前に商品説明を確認しましょう

商品説明に「発送期間が長い」という説明がある場合
入札前に「出品者への質問」から入金を行う時期、商品の発送時期、発送方法などを確認し、よく考えてから入札しましょう。

商品が正規品なのか分からない
ご自身の知識でその商品が正規品と判断できない場合は、入札を見送りましょう。

特に以下のケースにはご注意ください。

・商品の発送元が不明確
・新品なのに正規品の定価と比べると著しく安い
・個人販売者なのにブランド品を突然大量に出品している

送料が割高、ガイドラインで認められていない料金が設定されている
実費以上の送料や、ガイドラインで認められていない料金を請求することは禁止されています。

商品の画像にメーカーや雑誌などの画像を転用している
出品者への質問などから、出品者に実際に出品されている商品の状態などを確認することも検討してください。

出典元:ヤフオク!

入札前に出品者の評価を確認しよう!

出品者の評価を見て、信頼できる相手かどうか判断しましょう。

評価ポイントだけでなく、評価の内容(コメント)も確認し、過去の取引の傾向を把握して自分が取引をしたい相手かどうか判断しましょう。

評価をチェックするポイント 
「良い」という評価をどのくらい得ているか、また、出品者としての評価か、落札者としての評価かも確認しましょう。

過去に取引相手とトラブルがある
評価コメントなどでトラブルの内容、原因を把握しましょう。

短期間で急激に良い評価を獲得している
その評価を行った取引相手の評価ポイントなども確認して、信頼性のある評価なのか判断しましょう。

出典元:ヤフオク!

落札した後も注意が必要です

取引開始の前に、まず出品者の連絡先を確認しよう!

ヤフオク!では取引相手の住所、氏名、電話番号の確認を推奨しています。

相手と連絡がつかないなど不測の事態に備えて、必ず連絡先を確認しましょう。

もし確認を怠った場合は、「未着・未入金トラブルお見舞い制度に関する規定」の「適用除外」に該当し、詐欺などの被害にあってもお見舞いを受けられなくなりますのでご注意ください。

振り込む前に、指定された口座をチェックしよう!

トラブル口座リストに掲載されている口座は、すでにトラブルが報告されている口座です。

取引の中断も含め慎重に判断しましょう。

また、トラブル口座リストに掲載されている口座に振り込みした場合、未着・未入金トラブルお見舞い制度の対象にはなりません。

出典元:ヤフオク!

ヤフオク!の性質上相手がどんな人か分からないため、入札前と落札後の取引は特に慎重さが必要です。

「ヤフオク!の取引ポイント」を参考に同じような被害・トラブルに合わないよう入札前・落札後の対策は充分熟知しておきたいところです。

ヤフオク!で紹介されているトラブル対応

安全で快適なオークションをするため「ヤフオク!護身術」というページを設けています。

ここでは、「入札・取引の前に確認するポイント」、「困ったときの対応」「サポート制度」の他、「トラブル事例」で事前に注意すべきポイントを紹介しています。

「困ったときの対応」には、「内容証明郵便」「少額訴訟制度」「警察への被害届」がありそれぞれ内容や手続き方法が書かれています。

訴訟を起こしたり、警察へ届けることは抵抗があり精神的にも負担がありますが法に訴えることで公的な拘束力があります。

ヤフオク!トラブルが減少傾向にある

車販売に限った訴訟ではないが集団訴訟(ヤフオク詐欺被害者⇔ヤフー株式会社)を起こされたことがある

ヤフオク詐欺被害で572人が集団提訴
2005年03月31日 20時39分 

「Yahoo!オークション」で詐欺被害にあったのはシステムの欠陥が原因として、詐欺被害者572人が3月31日、ヤフーを相手取り約1億1500万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こした。

原告は、ヤフオクで商品を落札し、代金を入金した後、商品が届かない被害にあった。

ヤフーはシステム利用料や落札料を徴収しており、売買を成立させる契約上の責任がある」などと訴えている。
出典元:IT media news  

2008年3月に名古屋地方裁判所が原告の請求を棄却、2008年10月に名古屋高等裁判所が原告による控訴を棄却、2009年10月に最高裁判所が原告による上告を棄却したことにより、原告の敗訴が確定した。
出典元:ウィキペディア

わたしは、この記事を読んで消費者側が敗訴し法律でも認めてもらえないことが衝撃でした。

しかし、この事例のあとヤフオク!では詐欺被害に合わないよう取引時のポイントヤフオク!護身術など特別にページを設けて対策を取っていました。

その後、徐々にトラブルは減少傾向にあるようです。

ヤフオク全体のトラブルが減少傾向にある

IT media エンタープライズ

ヤフオクの取引トラブルが減少、ヤフーの安全対策

2008年08月05日 05時45分 公開

2008年3月からは啓発活動を強化し、トラブルへの対処方法を解説するページ実際のトラブル事例を紹介するページも公開

第三者によるIDの不正取得を防止するために落札者以外のYahoo! JAPAN IDを非表示にする対策や、産業技術研究所などと共同開発したフィッシング防止ブラウザ「Lunascape for Yahoo!オークション バージョン2.0」なども導入した。

同社は被害実数を公表していないが、これらの対策の結果2008年第1半期の詐欺被害発生率は0.003%となった。

この確率は、ユーザーが毎週1回のペースを商品を落札しても詐欺被害に遭遇するのは500年に1度あるかどうかだという。

なお、被害が最多となった2005年第2四半期は、ヤフーが詐欺被害認定者に支払った補償金が1億円を超えていた。

説明したオークション事業部の八代峯樹事業部長は、「不正者のIDを迅速に停止するなど厳しい措置を取っているが、健全なサービス環境の実現に向けて安全対策の実施を進める」と話した。
出典元:IT media エンタープライズ

まとめ

ヤフオク!で買い物をするということは、自己責任という責任が大きくのしかかる問題です。

ヤフオク!で訴訟問題が起きたころの内容は、売買の成立さえも自己責任と裁判所は判断したようです。

2020年4月に「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ改正された法律では契約目的や契約文言といった当事者の主観面を重視する傾向がある(出典元:売却の窓口)と言われています。

この度のわたしの問題点では「瑕疵担保責任」を問えないのは契約がすでに完了しているからでした。

「瑕疵(欠陥)」があったとしても契約が完了してしまってからは契約を覆すことが難しい。

改正民法(契約不適合責任)により今回のようなケースはどういう判例がでるのか注目していきたいところです。

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